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「軍事費削って暮らしに回せ!」 
「武器より暮らしを!市民ネット」結成

片岡伸行|2019年12月10日4:13PM

参議院議員会館での結成記者会見で趣旨を述べる参加団体メンバー。(撮影/片岡伸行)

「増税なんのため? 大軍拡予算案を許すな!」――。安倍政権になってから歯止めのきかない防衛費という名の軍事費拡大にストップをかけようと、市民団体がスクラムを組み「武器より暮らしを!市民ネット」を結成。11月15日に東京・永田町の参議院議員会館内で結成会見と院内集会を開いた。

防衛省は過去最大を更新する5兆3223億円の2020年度概算要求を計上。「宇宙作戦隊」「サイバー防衛隊」の新設をはじめ、護衛艦「いずも」空母化への改修費(31億円)、F35B戦闘機(1機141億円×6機)の購入費などが盛り込まれている。米国の言い値のままに高い武器を買わされ、「後年度負担」と呼ばれる武器ローンの残高は5兆4942億円と、単年度概算要求を超えるまでに膨れ上がっている。

こうした軍拡予算を組む一方、消費税増税をしながら生活保護費や年金の引き下げなど命と暮らしに関わる予算は年々先細る。

同日の会見には、年金引き下げ違憲訴訟の原告・田端二三男さんと淵脇みどり弁護士、「FREE高等教育無償化プロジェクト」事務局長で東京大学4年の中野典さん、国際環境NGO「FoE Japan」の吉田明子さん、原発事故被害者支援「避難の協同センター」事務局長の瀬戸大作さん、呼びかけ団体の「武器取引反対ネットワーク」杉原浩司さん、「大軍拡と基地強化にNO!アクション2019」の池田五律さん、青山学院大学教授で「社会権の会」の申惠ボンさんが臨み、それぞれ切実な暮らしの現状と、それに逆行する軍事費拡大を批判。

「F35を1機買わなければ原発事故避難者の住宅提供は継続できる」「9機分で全国の待機児童が保育園に」「気候変動による災害対策などの拡充を」「軍事費を削って社会保障や教育充実などに回すべき」などと指摘した。今後、軍事予算組み換えを要求していく。

(片岡伸行・記者、2019年11月22日号)

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