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長崎市幹部による女性記者への性暴力裁判で大集会
フラワーデモで被害根絶訴え
松元千枝、吉永磨美|2019年12月19日4:31PM
【女性記者への性暴力は報道の萎縮につながる】
前日のシンポジウムではパネルディスカッションがあり、作家の北原みのりさんやハフポスト日本版記者の湊彬子さん、中野弁護士らが登壇。討論は、性暴力やセクハラが権力者からの犯罪でありながら、プライベートな関係における問題として扱われたり、被害者が加害者にさせられたりする現状をテーマに行なわれた。
中野弁護士は「女性記者への性暴力は報道の萎縮につながる。報道の自由を侵害する民主主義の問題として考えるべきだ」と主張した。北原さんは「メディアで扱う話やニュースが女性視点で語られていない。ニュースを消費する側は半分女性であり、そこに性暴力の被害者がいるかもしれないという視点がない」とジェンダーや被害者配慮の視点が欠けている報道の姿勢を批判した。
また、支援者から原告の女性記者のメッセージが代読された。メッセージの一部は以下の通り。「性暴力は1人で巻き込まれるので、気づかれにくいし助けにつながりにくい。他の人には無事に朝がきても、自分だけ地獄が始まります」「私はたくさんの中傷を受けてきました。性被害にあったと報じられただけでこんなにバッシングを受けるとは思っておらず、多くを記録に残しています」「各記事やネットに個別に答えるのではなく、社会の制度を使って公正に反論していくことを考えました。それで、日本弁護士連合会の人権救済申立や提訴に踏み切りました」「女性や子どもに対する暴力は至るところで起きます。これを一掃できる策はなく、回復には長い道のりが必要ですが、周りが気づき『それってしょうがないよね』という言葉をのみ込んで接するだけで、道はだいぶ開けると思います」。
(松元千枝・ジャーナリスト、吉永磨美・『毎日新聞』記者〈共に「支える会」事務局〉、2019年11月29日号)