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揺らぎ始めた安倍一強政治
佐藤甲一|2019年12月31日7:00AM
内閣改造から1カ月余りで2人の重要閣僚が辞任した。河野太郎、小泉進次郎両氏ら次代の自民党の核となる人材や萩生田光一氏など安倍側近を入れた組閣は「第1次菅内閣」とも「安倍院政」の布石とも受け取れたが、その目論見は大きく崩れかかっている。盤石とも見えた安倍一強政治も揺らぎ始めたといっていい。
筆者がそう指摘するのは主要閣僚の辞任が相次いでいるからだけではない。「自民党全体の緩みの結果」と党全体が自戒するならまだいい。しかし党内から漏れ聞こえるのは、側近2人がスピード辞任に至った菅義偉官房長官の「減速」をほくそ笑む声だ。
つまり、「ポスト安倍」の一番手に躍り出かかった菅氏の権力基盤の一角が崩れたことで、相対的に安倍晋三首相や麻生太郎副総理の求心力が回復したという指摘だ。しかしこうした声が表に聞こえてくるということは、本来一枚岩であるべき官邸中枢の中に、権力闘争、軋みが顕在化しつつあることを暴露してしまったことになる。