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MMTを一蹴するのは早計

高橋伸彰|2020年1月2日7:00AM

収入を上回る支出を続ければ家計は破綻する。だから「入るを量りて出ずるを制する」の故事に倣い、家計は収入の範囲内に支出(含む借金の返済)を抑えるべきだ。同じことは国家財政にも通用すると財務省は言う。

実際、同省のパンフレットでは日本の財政を「手取り月収30万円の家計にたとえると、毎月(中略)37万円の生活費を支出」するだけでなく「毎月16万円の新しい借金をしている状況」にあると指摘、このままでは「制度の持続可能性」が確保できないと警告する。

これに対し、アメリカ発で注目を集める新しい貨幣理論(Modern Monetary Theory、以下MMT)は、自国通貨の発行主権を有する日本やアメリカのような先進国の政府は、支出に際し税収不足や財政赤字を制約とする必要はないと説く。誤解がないように付言すればMMTは租税が不要だとか、インフレに対する警戒は無用だと主張しているのではない。

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