「ポスト安倍」レースの「予鈴」がなった
佐藤甲一|2020年1月7日7:00AM
2019年12月9日、臨時国会は閉会日を迎えた。会期中に安倍晋三首相は「憲政史上最長」の在任記録を塗り替えたが、その瞬間、まさに「つるべ落とし」のようにその求心力は落ちつつある。
言わずもがなだが、原因は「桜を見る会」にある。そこには変わらぬ権力の驕り体質、反省と改善なき政権の傲岸な振る舞い、さらには首相への忖度がすぎる官僚機構の緩み、がなお存在していることが明らかになった。
ただ、一連の対応を見て気づくのは、これまで「安倍一強」の下で見て見ぬふりをしてきた勢力が、安倍首相から距離をおく空気が漂いはじめたことだ。「安倍離れ」が始まった。その一番手が菅義偉官房長官ではないか。
今回の「危機」に対して、官邸中枢はかつてないほど手際が悪い。短命に終わった第1次政権から得た教訓は、閣僚などの不祥事が発覚した場合、放置あるいは擁護せず、直ちに処理=すなわち辞任させることだった。