「ポスト安倍」レースの「予鈴」がなった
佐藤甲一|2020年1月7日7:00AM
さらには準備万端であるはずの定例記者会見において、名簿データのバックアップに関わる質問で5回も中断し、秘書官から11回もメモを差し入れさせる。要は本気で安倍政権を守る気迫が皆無だということだ。のらりくらりとかわしているのではなく、もはや菅氏にとって「他人ごと」なのではないか。こうして政権防御のディフェンスラインはずるずると後退しながら、国会はかろうじて閉会した。
国会閉会直前の12月5日、自民党の鈴木俊一総務会長(麻生派)は菅原、河井両氏の国会における説明責任がなされていないことを指摘した。あまりに唐突である。
背後には安倍政権と命運を共にする麻生太郎財務大臣の思惑がちらつく。逃げる菅氏への牽制か。「ポスト安倍」レースの「予鈴」がなったのである。
(さとう こういち・ジャーナリスト。2019年12月13日号)