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警視庁機動隊の沖縄派遣住民訴訟 
「判決は論理破綻の腰砕け」

片岡伸行|2020年1月14日9:01PM

判決後に司法記者クラブで会見する原告と弁護団ら。(撮影/片岡伸行)

住民無視の国策強行のため、2016年7月、沖縄県での米軍ヘリパッド建設工事に全国6都府県から500人を超える機動隊員が送り込まれたが、そのうち東京都の警視庁機動隊の派遣と現地での暴力的な行為は違法だとして、都民182人が東京都知事に対し、当時の警視総監らへの損害賠償の請求を求めた住民訴訟の判決が12月16日、東京・霞が関の東京地裁であり、住民側が敗訴した。

判決を出した古田孝夫裁判長ら3人の裁判官は加計学園行政文書不開示決定取り消し訴訟で原告から「忌避」された面々だ。

本来は都民を守るための地方警察が、なぜ沖縄まで出向いて米軍に奉仕し、そこで暮らす市民・国民を敵に回して排除するのか。裁判の焦点は、座り込みなどで抗議の意思を表していた参加者のテントと車両を、防衛局と機動隊が一方的に撤去した行為の違法性を裁判所が認めるかどうかだった。

司法記者クラブで会見した原告代理人の高木一彦弁護士は「判決では〈撤去行為については看過しがたい疑問が残る〉としながらも、派遣自体の違法性を認めなかった点は大きな誤り」とし「論理破綻の腰砕け判決だ」と指摘。裁判で被告側が車両とテント撤去の法的根拠を示せず、その違法性が浮き彫りにされた点について宮里邦雄弁護士は「国家賠償請求訴訟が成り立つ」と述べた。同様の訴訟は愛知県でも起こされ来年3月18日に名古屋地裁で判決が予定されているが、この焦点も「テントと車両撤去の法的根拠」だという。

原告の野津功さん(武蔵野市・87歳)は「日本は劣化しており、よい方向にいくカギは沖縄にある」とし、控訴の意向を示した。ヘリパッドのある高江で暮らす安次嶺雪音さん(48歳)は「東京の人が自分のこととして『おかしい』と思ってくれている。そういう人が全国にいてつながってる。勇気をもらえる」と述べた。

(片岡伸行・記者、2019年12月20日・2020年1月3日合併号)

 

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