伊方原発3号機、運転差し止めを命じる決定
広島高裁
脱原発弁護団全国連絡会|2020年2月7日3:16PM
【住民側「常識的な判断」四電には徹底調査を】
この仮処分の申立人は離島に住んでいる。避難計画について原審の山口地裁岩国支部は、自治体が対応できない場合は全国実働組織が支援することになっているなどと、なんら具体的ではない無責任な判断をした。広島高裁が、この原審の判断に触れていない点は残念だ。
広島弁護士会館での記者会見を兼ねた報告集会には200人を超える報道関係者、支援者が集まった。冒頭に挨拶した伊方原発を止める山口裁判の会の原告団副団長の窪田伸子さんは「裁判所の常識的な判断に、敬意を表します」と声を詰まらせながら喜びを語り、福島第一原発事故の被害に触れ「原子力発電所の建設自体が基本的人権を侵害している。伊方原発の過酷事故が起きれば豊饒の海すべてが奪われる。離島に住む方々は避難できない。建設自体がそもそも間違っていた」と述べた。
中村弁護士は最後に「四国電力が異議を出すこと自体が極めて不当だと考えている。なぜなら今回の決定では非常に常識的な判断をしているわけで、不服申し立てをする暇があるならボーリング調査などで活断層かどうかをはっきりさせていただきたい」と語った。もっとも四電が異議を出してくれば全力投球して臨むとも述べた。
(脱原発弁護団全国連絡会、2020年1月24日号)