黒塗り「桜」文書で深まる安倍首相の「公選法違反」疑惑
片岡伸行|2020年2月10日11:54AM
【「車利用のおことわり」】
なぜ「車利用NO」との告知をしているか、その理由は簡単である。1万数千人の招待者がそれぞれ「車」で新宿御苑に来てしまっては大混乱する。だから、すべての招待者に「車利用のおことわり」の紙が配布されているのだ。
そもそも各界の功績・功労者がある特定の地域にだけ集中的に居住し、その人たちがバスをチャーターし、新宿御苑に来るなどということはありえないが、それが安倍首相の地元ではありえた。招待者全員の「車利用」を拒否していながら、内閣府は昨年、安倍後援会約850人がバス17台を連ねて受付開始前に新宿御苑内にバスごと乗り入れるのを許した。そして、他の招待者が入場する前に無料で飲食することも許した。
13年に開門の午前8時30分前に「正門」(2カ所)から入場した「一般」招待者は484人、19年には午前8時前に同866人が入場している。このすべてあるいは大半が安倍後援会バスツアー「御一行様」だったのではないか。税金を使った公的行事でのこうした特別扱いは公職選挙法の禁じる買収行為に等しい。
(片岡伸行・記者、2020年2月7日号)