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新型コロナウイルス騒動で中国人嫌悪を助長する報道も
植松青児|2020年2月18日12:18PM
【温又柔さんもツイッターで懸念】
さらに「マスクをしていない中国人観光客」への嫌悪感が、容易に「(日本国内で)マスクをしていない中国人」全般への嫌悪感や差別感情、さらには「(日本国内で)マスクをしていない中国人・台湾人・香港人(=中国語を話す人間)」全般への嫌悪感や差別感情にエスカレートする可能性も否定できない。
言うまでもなく、いま日本国内にいて中国語を話す人は「中国からの観光客」に限らない。出稼ぎ労働や留学等で(新型コロナウイルス流行前から)滞在している人、長期間在住している人、日本で生まれ育った人など、さまざまに存在する。そのような、最低限の知識や想像力が、日本社会にきちんと共有できているだろうか?
台湾出身で、3歳から日本に在住し、日本語で小説を発表する作家・温又柔さんは1月30日、ツイッターに投稿した。
「おまえビョーキうつすなよ、みたいなことを言われて傷ついてる中国出身の子どもがいないように。おまえビョーキうつすなよ、みたいなことをクラスメイトに言う子どもがいないように。マトモな大人がちゃんと目を光らせてますように。大人がマトモでありますように。私がマトモでいられますように。」
温さんの心配は杞憂だろうか。日本人は関東大震災時に朝鮮人虐殺事件を行なった過去を持つ。今、日本人は「マトモ」な行動を取れるのか、厳しく問われている。
最後に、1938年に40万人以上の日本陸軍が武漢を侵略し、本格的な毒ガス攻撃を行なった歴史的事実も心に留めておきたい。
(植松青児・編集部、2020年2月7日号)