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選択的夫婦別姓考える勉強会に与野党議員ら参加
自民党議員も「別姓を制度化していきたい」と発言
宮本有紀|2020年2月21日6:27PM
選択的夫婦別姓の導入を求め活動を行なう「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」が2月14日、衆議院第二議員会館で「選択的夫婦別姓について考える超党派有志勉強会」を開催した。事務局長の井田奈穂氏は「当事者の声を知らないとイデオロギーで反対されてしまったりご理解いただけていないこともあったりするので、ぜひ私たちの声を聴いていただきたい」と趣旨を説明。自民党議員を含む与野党の議員本人36人、代理34人が参加し、別姓での法律婚を求める事実婚夫妻ら当事者の訴えに耳を傾けた。
現行民法では、どちらかの姓に統一しなければ婚姻届が受理されないため、どちらの姓も選べないカップルは法律婚ができない。同姓にできない事情はさまざまだ。
事実婚26年目の夫妻は、研究職と専門職のため改姓で仕事の継続性やキャリアに影響するなどの理由で事実婚を選択した。「子どもは婚外子という差別的に見られる身分のまま。現在は老後に向けて不安に直面している。病院で手術や延命の意思決定が互いにできるのか、介護施設に夫婦として入居できるのか保証はない。法定相続権はなく、遺言で相続しても非課税ではないし配偶者居住権がないので住む家も失うかもしれない」と述べ「私たちにも法律婚をさせてください」と訴えた。
子どもの頃、親の離婚で姓が変わり、新たな姓で「自分のアイデンティティを築いてきた」という妻が出会ったのが、昔の自分と同じ姓の夫だったという夫妻も。「夫の姓にすると思い出したくない過去を思い出す」という妻を思い、夫が姓を変えようとしたら両親に「息子を失った気持ちになる」と言われ、悩んだ末に事実婚を選んだという。
このほか「夫も育児休暇を取得し2人で育児に励んでいるが、(事実婚は共同親権ではないので)夫には親権がない。海外勤務の可能性もあるが事実婚では夫に配偶者ビザが支給されない」「事実婚では不妊治療の助成が受けられず負担が大きい」など、口々に事実婚の不利益や不安が語られた。
また、選択的夫婦別姓導入の議論では「親と姓が違う子がかわいそう」「家族の一体感が薄れる」という声が出るが、事実婚家庭で育った子どもらは「親が別姓だから自分の家族が普通でないと感じたり、姓が異なる親と距離を感じたりということはまったくない」(大学生)、「かわいそうという言葉に正直ショックを受けた。私の家族は仲がいいと思うし、親が別姓だから嫌な思いをしたこともない」(高校生)と明確に否定。そして「今日は世界中の人が愛を誓いあうバレンタインデーです。しかし世界で日本だけは、夫婦が生まれ持った姓のまま結婚することができません。今結婚を考え悩んでいる人たちにも、そして私たちの両親にも、彼らの望む今の氏名のまま、婚姻届を出させてください」などと書かれた「子どもの立場からの要望書」を読み上げ、議員らに手渡した。
井田奈穂事務局長は、離婚と再婚の多い現状から、「子どもが改姓を望まない場合、同氏同戸籍の原則にこだわると、子どもと別戸籍になってしまう」と、夫婦同姓を貫くと子連れ再婚などで親子の別姓を生じさせる現行制度の矛盾を指摘。多様な家族を包含できる柔軟な法制度を求めた。
(宮本有紀・編集部、2月21日号)