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「桜」疑惑で下関市議が証言「ホテルと契約していない」
片岡伸行|2020年2月25日12:36PM
昨年の「桜を見る会」前夜祭をめぐる安倍首相の「契約主体は参加者個人」との答弁について、前夜祭に参加した地元・下関市の複数の市議が、本誌の取材に対し、これを否定する証言をした。全国の弁護士による「追及する法律家の会」も結成され、首相の法的責任追及の声がさらに高まる。
誰もが耳を疑った「主催は後援会だが、ホテルとの契約主体は参加者個人」との安倍晋三首相の答弁(1月31日・衆院予算委員会)。2019年4月12日夜に東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれた「桜を見る会」前夜祭のことだ。
この前夜祭は安倍晋三後援会の主催だが、会費5000円のやりとりをめぐって、その収支が政治資金収支報告書に記載がないため、「法違反ではないか」と野党議員から追及を受けた。これに対し安倍首相は「後援会主催」であることは認めたものの、ホテル側と前夜祭の契約をした「主体」は「参加者個人になる」と答弁したのだ。「契約主体」が安倍後援会であった場合、政治資金収支報告書への記載がなければ法違反に問われる可能性があるためだ。
しかし、実際そんなことがありうるのか。
【「首相の人間性を疑う」】
「下関の人たちはみんな、あの首相答弁にびっくり仰天です。自分たちは(桜を見る会に)招待され、お呼ばれした側。後援会の案内を見て参加を申し込み、費用を支払って出かけて行っただけ。招待された人たちが個人個人でホテルと契約するはずがないじゃありませんか。『私たち、ホテルと契約なんかしていませんよ』と参加者の人は話しています」
そう語るのは、下関市議会議員を20年以上務める現職の田辺よし子市議だ。昨年12月19日に衆院本館内で行なわれた「桜を見る会」追及本部第17回ヒアリングに参加し、「下関の人たちは首相の説明に、まったく納得していない」などと地元の状況を報告した。
その田辺市議をして、今回の安倍首相の答弁については「追い詰められたらここまで言うのかと、人間性を疑う」と言わしめる。
田辺市議は下関市議会(定員34人)の中の少数会派「市民連合」(3人)に所属。いわゆる「安倍派」でもなければ山口県第4選挙区にある自民党下関支部に所属しているわけでもないので、当然ながら、自身は「桜を見る会」にも「前夜祭」にも参加していない。
では、実際に前夜祭に参加した地元の市議は今回の安倍首相の答弁についてどう思っているのか。首相の言うように「ホテルとの契約主体は参加者個人」というのは事実であったのかどうか。当事者への取材を試みた。