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元酪農家の長谷川健一さん怒りの告発 「飯舘村では若い人が胃がんで立て続けに亡くなっている」
明石昇二郎|2020年3月5日5:46PM
農作業のできない今の季節は「冬眠中だ」と言って笑う長谷川さんに、まずは自分の近況報告をした。飯舘村で避難指示が解除されたのと同じ17年の出来事だが、筆者に胃がんが見つかり、胃の4分の3を切除する手術を受けている。そのため体力が落ち、飯舘村に来られなかった不義理を詫びつつ、家族や友人の間で似たような大病をした人がいないか尋ねた。すると、長谷川さんが答える。
「いや、病気を通り越して、亡くなっているよ。50代後半から60代の、俺よりも若い人が。そのほとんどが、がんなんだけどな。中でも胃がんという人をよく聞く。見つかったと思ったら、皆、バタバタ逝(い)っちまうんだから。考えるに、飯舘村の俺らは皆、免疫力が低下しているからじゃないかな」
長谷川さんの妻、花子さん(66歳)が続ける。
「仮設住宅に避難していた頃からです。でも皆さん、病院では必ず『原因はストレスですね』って言われるんです」
健一さん「今まで、そんなことはなかった。がんで若い人がバタバタ亡くなるなんてことは、原発事故の前の飯舘村ではなかった。
ウチのすぐ隣の友達(62歳)は、避難指示が出ても仮設住宅に避難しないで、ずっと村に残っていた。それで一昨年、胃がんが見つかって胃を全摘したのだけど、あちこちに転移が見つかって、その年の6月に亡くなった」