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東海第二原発差止訴訟
原告側証人「想定の2倍相当の地震動」を証言
青木秀樹|2020年3月6日12:44PM
後藤証人は野津証言の内容をプラント部門に反映させて展開し、構造物にいくつもの破壊モードがあること、そのうちの衝撃的荷重が加わることによって起こる衝撃破壊が重要であるにもかかわらず原発では検討されていないこと、延性破壊の説明に用いられている応力―ひずみ線図は単軸金属棒の実験結果であり、それと実機とでは降伏点(Sy)や引張強さ(Su)が異なることについて、具体的実験例をもとに証言した。
そして、SyとSuで想定される破損、破壊は異なる形態のものであり、設計機器の設計において基本とされているmin(Sy、0.7Su)は発生値がSyか0.7Suのいずれか小さい方の許容値以下でなければならないという意味であるが、それは異なる破損・破壊モードを取り込んだものであることを説明し、Suと発生値を比較して安全余裕があるという主張は技術者とすれば考えられないこと等について証言した後、東海第二原発において耐震裕度が小さい圧力容器スタビライザの破壊と格納容器の座屈が起きた場合の事故進展過程を具体的に証言した。
裁判所から基準地震動をどの程度超えると安全が保証できないと考えるのかと補充尋問がなされ、1.5ないし2倍程度と証言した。野津証人の算定した基準地震動が来襲するならば東海第二原発の安全性は保証できない。
(東海第二原発運転差止訴訟弁護団・青木秀樹、2020年2月28日号)
2月6日、証人尋問後の記者会見。(茨城県弁護士会館。提供/東海第二原発差止訴訟団)