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コロナ新法の緊急事態宣言は危険--弁護士や憲法学者らが反対声明
2020年3月10日6:04PM
報道の自由を制限
弁護士の澤藤統一郎氏は「健全な民主主義は権力に対する信頼ではなく『警戒』で成り立つということを今こそ思い出さなくてはならない」と強調。「憲法は人権と権力とが互いに確執を持つものであることを前提にしている。しかし緊急時においては、過去のヒトラーや天皇制がなしてきたことに見られるように人権を排して国家を重んじる動きがやすやすと進んでしまう。なおかつ、今この緊急事態宣言を進めようとしているのは国政を私物化し、嘘と疑惑で固められた政権だ」と語った。
最後に発言に立った梓澤氏はメディアに関わる問題として、同特措法が定める「指定公共機関」にはNHKが含まれるほか、「政令で定めるもの」として民間放送も含まれるようになっている点を挙げた。緊急事態宣言下ではそれらメディアを含む「指定公共機関」に対して首相が「指示ができる」としていることの恐ろしさを「既にそうした仕組みは武力攻撃事態法の中で発動している。各放送局は毎年、武力攻撃事態があった場合の事業計画を提出させられている」と、既にある事例をもとに説明。さらに「この宣言には書かなかったが、今回の政府側の動きの背景には東京五輪があるのではないか」とも指摘。「感染検査を拡大すれば自ずと感染者数も増え、そのことが日本に対する海外からの不安の拡大にもつながる。そうした不安の拡大を避けるために報道を抑えようとしているのではないか。そこを報道機関は徹底的に追及してほしい」と、集まった報道陣に檄を飛ばすかのように訴えつつ会見を締めくくった。
(岩本太郎・編集部)