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『パラサイト』は「寄生」ではなく「共生」 
ソン・ガンホら東京で会見

宋梨奈|2020年3月12日10:58AM

ポン・ジュノ監督(左)とソン・ガンホ(中央)が舞台挨拶。サプライズゲストは草彅剛。(撮影/文聖姫)

米国の第92回アカデミー賞で、作品賞や監督賞など4部門を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督(50歳)と主演のソン・ガンホ(53歳)が来日し、2月23日に東京・千代田区の日本記者クラブで会見。翌24日には、六本木の映画館で舞台挨拶を行ない、タレントの草彅剛(45歳)がサプライズゲストとして登場した。草彅は「一流のエンターテインメントになっていて、退屈するところが一時もなかった」と激賞した。

記者会見には200人近い報道陣が集まり、ベージュのジャケットを着たソン・ガンホと黒いジャケットのポン監督が登場した。

ポン監督は「カンヌ、オスカーの受賞は喜ばしく光栄なことだが、賞を目標に映画を作っていたわけではない。多くの国で観客のみなさんが熱く反応してくださったのが嬉しい」と挨拶した。

ソン・ガンホは「2000年代初頭に日韓で互いの映画がたくさん上映されていた。十数年ぶりに日本で韓国映画がヒットしていることが、両国の観客にとって、お互いに関心を持って映画を愛し合う第二の映画交流のきっかけになれば嬉しい」と話した。

「なにがここまで多くの観客に受け止められたのか?」という司会者の質問に対し、ポン監督は、「海外での興行を目的に作ったわけではないので、今の状況を不思議に思っている」とし、「“貧富の格差”を描いているという、同時代的なテーマを扱ったことを理由とする人が多いが、私の考えは違う。“貧富の格差”は、見ている人にとっては居心地が悪いかもしれない。それ以上に、“予想を裏切る後半のストーリー展開”が新鮮で面白かったという意見を耳にする」と答えた。「“俳優たちの魅力”が大きかった」とも述べた。

ソンは、「この映画のタイトルは『パラサイト(寄生虫)』だが、実は寄生ではなく共生を描いている」と語った。「カンヌとアカデミーでの喜びに違いはあったか?」という会場からの質問に、ソン・ガンホが、「カンヌでは初めて賞をいただいこともあり、あまりの嬉しさにポン監督の胸元を強く叩いてしまい、骨にヒビが入ってしまったらしい。アカデミー賞のときは胸を避けて、首元を掴むとか頬を叩くとか、できるだけ痛いところを避けるようにした」と答えると、場内は笑いに包まれた。

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