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「慰安婦」報道、東京高裁が植村隆・元『朝日』記者の請求棄却
西岡力氏の「人身売買論」は肯定せず
佐藤和雄|2020年3月27日11:00AM
【「4連敗」の結果だが】
櫻井よしこ氏を同様の理由で訴えた札幌地裁と同高裁。西岡氏を訴えた東京地裁と同高裁。植村氏は「4連敗」だ。札幌はすでに最高裁に上告し、東京でもその意向という。ところで、この裁判が「慰安婦」をめぐる言説に、何らの意味ももたらさなかったかと言えば、そうではない。
西岡氏と櫻井氏の主張のポイントは「金学順さんは日本軍による強制連行ではなく、人身売買によって『慰安婦』になった」というもの。しかし東京高裁判決は、西岡氏らが根拠にしている資料だけでも「人身売買により慰安婦にさせられたことを示唆するものもあるが、養父らから力ずくで引き離されたというものもあり必ずしも一致していない」と述べ、人身売買論を肯定してはいない。
勝訴が続く西岡氏と櫻井氏だが、「金学順さんが人身売買による慰安婦」という、不確かな主張を、今後は声高に喧伝することはできなくなるだろう。
(佐藤和雄・ジャーナリスト、2020年3月13日号)