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コロナ新法に憲法研究者63人が反対声明 
「これでは行政独裁」

堅田文彦|2020年4月3日6:14PM

3月11日の記者会見にて。左から飯島滋明(名古屋学院大学教授)、稲村樹、植野妙実子の3氏。(撮影/堅田文彦)

3月13日に参議院本会議で可決成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」改正案に反対する「憲法研究者有志一同の声明」が前々日の11日、東京都内で開かれた記者会見で発表された。神戸学院大学の上脇博之教授や名古屋大学の森英樹名誉教授ら63人の学者が賛同し、同9日の弁護士らによる「コロナ新法反対声明呼びかけ人会」の「緊急声明」に続く法律関係者の反対表明となった。

「声明」では、特に改正案に盛り込まれている「緊急事態宣言」について「政府の恣意的判断によって、権力の集中を招き、市民の自由や権利を広範に制限し、市民生活の破綻につながりかねない」とその危険性を列挙。政府の新型コロナウイルスへの対応が混乱を重ねている中、「適切な統治能力を欠いた状況下での拙速な改正は百害あって一利なし」と強調しながら、「不必要な法律改正を中止し、感染拡大防止のため最大限の努力を行なう」よう要請している。

記者会見では、国際基督教大学の稲正樹元教授が「『緊急事態宣言』がいったん発動されると、2年もの長期間に総理大臣の単独の判断だけで人権や国民の権利を広範に制限できるのに、国会や国民のチェックが利かない仕組みになっている。これでは、行政独裁に等しい状況がもたらされかねない」と、その恐ろしさを指摘。「政府が検査の拡充や対策についての情報公開などやるべきことをやらず、こうした法改正を強行するのは憲法上大きな問題だ」と述べた。

続いて発言した中央大学の植野妙実子名誉教授も、「『緊急事態』を発動するのは、立憲主義をなくすということ。強制措置が欠かせなくなったとしても、必要最小限度で可能な限り短期間というのが原則とされるべきなのに、改正案はそうなっておらず2年は長すぎる。今後、国民が苦情を申し出る場もないまま、さまざまな権利を侵害されかねない」と警告した。

(堅田文彦・ジャーナリスト、2020年3月20日号)

 

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