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改正児童虐待防止法成立 
「体罰のない社会」の実現を

小宮純一|2020年4月21日6:56PM

体罰禁止を明記した改正法施行前、3月25日に開かれた院内集会。(撮影/小宮純一)

「しつけ」と称して行なわれる、親などによる子どもへの体罰禁止を明記した改正児童虐待防止法(第14条、2019年6月成立)が今年4月1日から施行された。それを前に公益社団法人「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」は3月25日、緊急院内集会「体罰のない社会の実現を目指して」を東京・永田町の参議院議員会館で開いた。

同法改正は、東京・目黒区の5歳女児死亡や千葉県野田市の10歳女児死亡など相次ぐ家庭内虐待死事件を受けた児童虐待防止対策強化を目的に行なわれた児童福祉法などの改正と一体で政府が提案、全会一致だった。

改正法の付帯決議を受けた厚生労働省は今年2月20日、体罰の定義や範囲などを示したガイドライン「体罰等によらない子育てのために」を発表。

この中で(1)身体に何らかの苦痛を引き起こし、または不快感を意図的にもたらす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても体罰に該当する (2)怒鳴りつけたり、子どもの心を傷つける暴言(中略)、けなしたり、辱めたり、笑いものにするような言動も子どもの権利を侵害する (3)親以外の監護・教育をする権利を持たない者を含むすべての人について、体罰は許されない――などと明記した。これを受け、国際NGO「子どもに対するあらゆる体罰を終わらせるグローバル・イニシアチブ」は同月末、日本が「世界で59番目の体罰全面禁止国になった」と評価する声明を出した。

集会では「民法822条には体罰との境目があいまいな懲戒権規定が残っており削除が必要」(日弁連子どもの権利委員会)、「体罰禁止を啓発するテレビスポットCMを20年度に製作する」(厚労省)、「暴力から守られる子どもの権利を、大人と子ども両方に周知啓発すべき」(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)などの発言があった。

(小宮純一・ジャーナリスト、2020年4月3日号)

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