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「あいトリ」作家有志が表現・トークイベント 
「空気による支配」への抵抗議論

植松青児|2020年4月23日6:28PM

伊藤詩織さん(右)も参加し、自ら受けた匿名バッシングの問題を議論した。(撮影/植松青児)

3月23日、文化庁は「あいちトリエンナーレ2019」に対して全額不交付と決めた補助金を、一部減額して交付すると発表した。

全額不交付決定に対しては同展参加作家の有志グループReFreedom_Aichiが昨年秋に10万筆以上の撤回要求署名を集めるなど、多くの抗議の声が上がっていた。

今回の文化庁の決定は、当初の補助金予定額7800万円に対し、6661万9000円を交付するもの。一見、文化庁の譲歩のように思えるが、補助金の減額は「事後検閲」だという批判を免れないものだ。

一方、ReFreedom_Aichiは3月20日に6時間に及ぶ長時間のトーク+パフォーマンスイベントを東京・渋谷で開き、自らの「態度表明」を行なった。そこでは、過去に芸術が非常事態・戦争を賛美してきたこと、「美しい戦争」を目に見えるように物象化してきたこと、人を沈黙させることなど厭わない「空気」に正統性と実体性を与えてきたという視点が打ち出され、最も表現を封殺されてきたのが戦時の性暴力被害者の「語り得ない記憶」だったこと、そして「表現の自由」は、そのような存在のためにこそ保障されるべきという踏み込んだ認識を示しつつ、そのような「表現の自由」封殺に荷担した文化庁の対応を批判した。

ちなみにイベント名は「空気・アンダーコントロール」。昨年の「あいトリ」問題も「空気」によってアンダーコントロールされた日本の縮図であり、「各地で非常事態宣言が続発される世界。コロナという『見えない不安』を媒介に公権力と市民の協力による管理・規律が、まるで『空気感染』するように広がっている」という現在進行形の危機意識を共有しながら、多様な表現と議論が行なわれた。

同イベント全編録画アーカイブがReFreedom_Aichiウェブサイト経由で視聴できる(URL https://www.refreedomaichi.net/)。

(植松青児・編集部、2020年4月3日号)

 

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