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教科書検定、学び舎は合格、自由社・令和書籍は不合格 
右派の政治利用、なお要警戒

能川元一|2020年4月24日5:23PM

【学び舎、山川出版の合格に右派は反発】

一方、前回の検定で自由社と同じく再申請を経て合格したため結果が心配されていた学び舎の教科書は合格となったが、検定制度がはらむ問題点が解消したわけではない。

学び舎教科書に今回ついた検定意見は前回の約半数(273→144)だが依然として他社よりは際立って多く、検定制度下で個性的な教科書づくりに挑戦することの困難さがうかがえる。

歴史教科書でもう一つ注目されたのは、高校の日本史・世界史教科書で実績のある山川出版社が新たに中学校の歴史教科書を申請し、合格したことだ。

『産経新聞』は山川出版社が学び舎に続き日本軍「慰安所」制度について記述したことを「『従軍慰安婦』の呼称復活 中学校教科書検定 自虐色強まる傾向も」(3月24日ウェブ版)などと問題視している。

しかし「従軍慰安婦」という表記に対する右派の異論は学術的な価値がまったくないことに加え、元「慰安婦」の支援団体も被害当事者の意向を踏まえて「従軍慰安婦」という用語の使用を止めてから久しい。

「慰安婦」問題についての右派の議論がまったく進歩していないことを象徴するクレームだ。

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