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教科書検定、学び舎は合格、自由社・令和書籍は不合格
右派の政治利用、なお要警戒
能川元一|2020年4月24日5:23PM
【中曽根元外相も会合で言及「不合格」で逆にはずみも?】
『産経新聞』やつくる会関係者は、日本の近代史の負の側面に関する記述と自由社の不合格とをセットでとりあげ、“左傾”した文部科学省による陰謀であるかのような主張を展開している。
実際の教科書の記述に照らして考えればわざわざ反論するまでもない荒唐無稽な陰謀説だが、前出の『WiLL』に加えて『月刊Hanada』5月号もつくる会関係者の鼎談を掲載。さらに26日には中曽根弘文元外相が所属派閥の会合で「自虐史観的なものや誤った記述が通ってしまったのは非常に大きな問題だ」と発言するなど、右派政治家も呼応する動きを見せている。
採択実績で同じ右派の育鵬社に大きく水をあけられ存亡の危機に立たされていたつくる会だが、不合格を機に政治運動として生き残る途を見出した観すらある。
右派はこれまでも“自虐史観”という虚構を騒ぎ立てて歴史教育に圧力を加えてきたが、不合格によってそうした運動にはずみをつけさせないよう、注意が必要だ。
(能川元一・神戸学院大学非常勤講師、2020年4月3日号)
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