驚異的なスピードと強硬的な対策で感染落ち着く--新型コロナ中国の対応
2020年5月4日7:00AM
4月6日時点で累計患者数は8万1740人、うち7万7167人が退院、死亡者数3331人(香港・台湾・マカオ除く)。しかもこの日は、ついに死亡者ゼロという記念すべき日になった。
中国政府が今回行なった対策の中でも特筆すべきが「武漢封鎖」だ。人口約1100万人の大都市を封鎖し、出ることも入ることも許さない前代未聞の施策を本当に実行したのだから驚きよう愕がくだ。おりしも中国は1月24日から全国的に春節の休暇を控えており、なんとしてでも大量の人の移動をストップする必要があった。
封鎖は1月23日深夜2時に発表され、同日10時から実施された。武漢市の公共交通機関はすべてストップし、空港や駅も閉ざされた。市民は特別な事情がない限り武漢を離れることが禁止され、外出も禁止。武漢以外の都市でも外出禁止になったところが多い。
さらに中国政府は、患者専用の臨時病院を次々と建設する。2月2日は火神山病院(1000床)が、8日は雷神山医院(1500床)が、わずか10日間ほどの工期で完成した。臨時病院は全部で16棟、計1万3000床設けられた。同時に中国全土から医師や看護師、研究者などを招集し、治療にあたらせる。中国研究者の矢や吹ぶき晋すすむ・横浜市立大学名誉教授によると、今、中国では新型コロナウイルスに関する論文が多数発表されているという。武漢で得た知見の数々を、ワクチンや治療薬の開発に役立てようということだ。