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森友問題、赤木さんの遺書に込められた思い
望月衣塑子|2020年5月8日10:00AM
「森友問題 佐川理財局長(パワハラ官僚)の強硬な国会対応がこれほど社会問題を招き、それに指示NO、を誰もいわない 理財局の体質はコンプライアンスなど全くない これが財務官僚王国 最後は下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ、手がふるえる、恐い 命 大切な命 終止府(ママ)」
森友問題で公文書の改竄(ざん)を強要され自殺に追い込まれた赤木俊夫さんの遺書は、文字までがおびえているようだった。
赤木さんの妻が3月、国と佐川宣寿(のぶひさ)・元理財局長を相手取り、約1億1000万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。記者会見の連絡を受け、急ぎ大阪に向かった。
遺族側代理人の松丸正弁護士が、赤木さんの人柄を「官僚というよりも芸術家」と述べるくらい趣味人で芸術家肌。書道の腕は「玄人はだし」で、土日は部屋にこもって熱中した。音楽や建築、落語にも造詣が深く、本棚には哲学書や思想書も。約25年前に結婚した同郷の岡山県出身の妻とは喧嘩(けんか)したことがなく、いつも一緒に出かけていたという。
高校卒業後に国鉄に就職。1987年の分割民営化にともない中国財務局採用となった。立命館大学法学部の夜間コースに通うため、近畿財務局京都財務事務所に異動した。仕事ぶりは勤勉で、納得いかないと上司でも理詰めで議論したという。近畿財務局OBの喜多徹信さんは「納得いかなくても適当に上の言うことを聞いてやるのが普通の官僚なんだけど、そういうところが一切なかった。若いのに感心した」と語る。