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新型コロナ、強いリーダーシップ論の危うさ

浜矩子|2020年5月24日2:10PM

ハンガリーで強権体制が強化されている。新型コロナウイルス対応で導入された非常事態法のもとで、ビクトル・オルバン首相の権限が大幅に拡大されたのである。

この法律に基づいて発令された非常事態宣言は、政府が新型コロナウイルスによる危機が収束したと判断するまで、無期限延長することができる。議会の議決を経る必要はない。非常事態宣言の発令期間中は、選挙は行なわれない。非常事態宣言が無期限で続けば、選挙もまた、無期限で実施されないわけだ。

新型コロナ関連で流言飛語を流布したとみなされた者は、最高5年の禁固刑に処せられる。何が流言飛語なのか、何をもってフェイクニュースとみなすのかは、むろん政府が判断する。反骨のジャーナリストや、人権活動家たちが、「流言罪」で大量に収監される恐れがある。

オルバン首相は、ここ10年ほどハンガリーの政治を牛耳ってきた。彼が率いる与党フィデス・ハンガリー市民連盟(Fidesz)は、首相の完璧な下僕だ。そして、議会で3分の2の議席を占めている。

オルバン氏は、自分が追求しているのは「自由なき民主主義」だと公言して憚らない。事実上の独裁者の地位をほしいままにしている。

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