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ポスト安倍に浮上する石破茂氏と小池百合子氏
佐藤甲一|2020年5月26日9:17AM
永田町の権力の重心が急速に移りつつある。未曾有の危機に対し、国民をナメ、自らの力におごってきた政権の対応能力は著しく低かった。新型コロナウイルス対策で後手に回り続けた安倍政権はもはや「退場寸前」だ。
安倍晋三首相の迷走ぶりはここに記すまでもない。東日本大震災の対応なども含めて民主党政権時代を「悪夢」と切って捨ててきた安倍首相だが、いまや彼を支える勢力は霧消し、彼自身が切り捨てられようとしている。中国・習近平国家主席の4月来日にこだわり、中国人訪日客への水際対策を誤り、コアな保守層の支持をまず失った。
加えて直近では経済対策で公明党から収入半減世帯への30万円補償の撤回を求められ、国民一人あたり一律10万円の支給に方針転換した。政策の変更は一つの判断であり、間違った政策を正すのは、ダメージとはいえ「致命傷」ではない。
だが安倍政権にとって致命的だったのは、鬼気迫る勢いの山口那津男公明党代表に、閣議決定した予算案の撤回を求められたことである。16日深夜までかかった自民・公明両党の協議では自民党の二階俊博幹事長が、次のタイミング、つまり今回は見送り、第2次補正での実施を懇願したが、公明党は頑として首を振らなかったという。