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アベノマスク、首相と生産国との“濃厚な”関係とは
岩本太郎|2020年5月29日7:28PM
【小泉今日子さんもSNSで「嘘は許されない」と批判】
厚労省は一般世帯へのマスク配布を開始した翌日の4月18日、妊婦用として14日から先に全国の市町村へ約50万枚を発送していた布マスクの一部に汚れなどの不良品があったと発表。「変色している」「髪の毛が入っていた」等の報告が17日時点で80市町村から1901件報告されたという。結局、同省は同21日に妊婦用布マスクの配布一時停止を決定した。
妊婦用以外の、全戸配布用の布マスクでも同様の事例がその後発覚している。『毎日新聞』は同21日、政府の対策班に配られた内部文書をもとに、全戸配布用の200万枚中、虫や髪の毛、糸くずの混入、カビの付着など200件の問題事例が確認されたと報じた。
世論も黙っていない。ネット上では実際に届いた布マスクの現物を示したりしながらの苦情が続出した。俳優の小泉今日子さんも22日、自身が代表を務める会社のツイッターアカウントで、前記の『毎日新聞』の報道をシェアしつつ、「汚らしい嘘や狡は絶対に許されない。カビだらけのマスクはその汚らしさを具現化したように見えて仕方がない」と批判した。同日には、安倍首相が17日に『朝日新聞』記者に「御社も3300円で販売しておられた」と反撃した、大阪府泉大津市の繊維メーカーが製造した布マスクを、同市の南出賢一市長が首相官邸まで持参して抗議するという〝ブーメラン返し〟の一幕もあった。
安倍首相が自身も着けたマスクの裏で「口は災いの元」と今ごろ呟いているかどうか知らないが、今の一般市民の口はマスク2枚程度で封じられないのだ。ウェブ上ではそんな布マスクなんぞは不要とばかりに「ここの商店街の棚にはマスクが大量に並んでいた」といった街角からの報告が日々続々と上がっている状況だ。
(岩本太郎・編集部、2020年5月1日・5月8日合併号)