【タグ】アベノマスク|シマトレーディング|マツオカコーポレーション|ユースビオ|伊藤忠商事|新型コロナ|興和
「アベノマスク」謎の2社の背後でうごめく福島県議
鈴木博喜|2020年6月4日3:35PM
まさに”もぬけの殻”だった。
老舗温泉旅館が立ち並ぶ福島県福島市飯坂町の一角。市立中学校近くにポツンと建つ一軒家が、布マスク配布を巡る”アベノマスク疑惑”の一翼を担うことになろうとは、誰が想像し得ただろうか。
「シマトレーディング? さあ、聞いたこともありません」
近所に住む女性が首をかしげるのも無理はない。玄関の呼び鈴にも応答なし。坂道に面した窓から室内を覗けば机も椅子も何もなく空っぽ。生活実態のない空家にしか見えない。だが加藤勝信厚生労働大臣による4月28日の衆議院予算委員会での答弁は、質問者の大串博志氏(立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム)を驚かせた。
「輸出入をするもう一つの会社がある」「(布マスクの)輸出入はその会社が担っている」
それこそが前述の一軒家を”本社”とする「シマトレーディング」だった。しかも法人登記簿によれば社長の島正行氏の本業は千葉県富里市を拠点とする切り花の輸入・販売。現場を訪れた、ある福島県議会議員は「こりゃ実体のないペーパーカンパニーだ」と驚いた。
震災・原発事故から10年目の福島に突如降ってわいた”アベノマスク疑惑”。疑惑の主役は地元の人々さえ知らない2社と公明党。しかし地元メディアはこの問題についてほとんど報じていない。