国民生活センター、柔軟剤で「情報提供」も重要情報欠き、役に立たず
岡田幹治|2020年6月4日3:43PM
国民生活センターが4月9日、「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供(2020年)」をウェブサイトで公開した。この問題での情報提供は2013年9月以来、7年ぶりだ。
柔軟剤は日本消費者連盟の「香害110番」で原因のトップだった製品。香害被害が絶えないため、重い腰を上げたのだろう。
しかし、この情報提供には重要な情報が欠けており、消費者、とりわけ香害で苦しんでいる人たちの役には立たない。
情報提供によると、全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET=パイオネット)に寄せられる柔軟剤のニオイに関する相談は、14年以降も年に130~250件程度あり、うち64%が健康に被害があったというものだった。
具体的な症状を申し出た相談を分類すると、頭痛・吐き気・めまいなどの体調不良を含む「その他の傷病及び諸症状」が最も多く、74%。2番目に多かったのが、咳が出る・息苦しいなどの「呼吸器障害」で19%だった。
問題は「その他の傷病及び諸症状」に関する調査・説明不足だ。頭痛・吐き気・めまいなどの体調不良は、化学物質過敏症という深刻な病気になる可能性があるが、それについては触れていない。