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助産師らが妊婦のコロナ検査実施を国に要望 

斉藤円華|2020年6月8日4:23PM

助産師有志から厚生労働省の担当者(右)に手渡された要望書。(撮影/斉藤円華)

「お産の現場は『3密』。感染リスクが大きい」。助産師有志18人は5月13日、妊婦全員を対象に新型コロナウイルス検査の実施を求める緊急要望書を加藤勝信厚生労働大臣あてに提出した。

医療機関での感染拡大も相次ぐ中、妊婦が安全な環境のもとで安心して出産できるようにするのが目的。要望書は衆議院第二議員会館(東京都千代田区)で厚生労働省の担当者に手渡され、阿部知子衆院議員(立民)、小池晃参院議員(共産)、吉良よし子参院議員(同)が同席した。

要望は(1)妊娠後期の妊婦と出産に立ち会うパートナーにPCR等の検査を実施し、財源を公費で確保(2)簡便で安全に検体採取できるようにする(3)陽性診断された妊婦が入院拒否されず、安心して出産できる体制の構築(4)フェイスガード等の感染防御資材をすべての現場に迅速確実に届ける、の4点。

提出の席上、助産師有志からは「お産は妊婦への密接なケアが必要。介助者は感染が怖くてもケアしている」「妊婦が感染疑いのまま救急搬送されれば助産師や医師が(感染防御なしで)濃厚接触する。妊婦の搬送先が見つからないケースもある」「訪問助産師のマスクやガウンが不足し、袖付きエプロンを1軒訪問するごとに着替えて対応している」など感染と隣り合わせの現場の声が相次いだ。

また妊婦が感染疑いの場合、2時間以内に自然分娩できなければ帝王切開する場合もあると指摘。助産師有志代表の鈴木享子氏は「帝王切開は母子への負担が大きい。(感染不明のために)不必要な帝王切開も行なわれているのではないか」と指摘し、国に妊婦全員への速やかな検査実施を求めた。

検査をめぐり厚労省の担当者は「日本産科婦人科学会など関係団体と意見交換しており調整中」とする一方、「陽性判定時の対応等で統一した見解が出ていない」として実施時期の明言を避けた。

(斉藤円華・編集部、2020年5月22日号)

 

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