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ステイホームで注意が必要な「シックハウス症候群」とは

岡田幹治|2020年6月9日12:18PM

一戸建ての新築も盛んだ。(撮影/岡田幹治)

「気温が上がり、湿度も高くなるこれからは、『シックハウス(病気にする家)』が原因の体調不良が増える季節だ」と建築家の足立和郎・パハロカンパーナ自然住宅研究所(京都市)代表は言う。

自身が化学物質過敏症(CS)の発症者である足立さんは、建物内の空気汚染で体調が悪化した人たちの相談を有料で受け、改善の方法を助言し、対策器具などを販売している。

「今年は新型コロナウイルス感染防止のため在宅学習や在宅勤務が増え、子どもも大人も自宅にいる時間が長くなっているので、十分に注意してほしい」と付け加える。

最近の住宅は一戸建てもマンションもアパートも、柱・梁・壁・床などの建材に接着剤・防腐剤・塗料などの化学物質が大量に使われており、それらの成分が少しずつ揮発(放散)している。揮発量は新築やリフォームから1年くらいが特に多く、設置が義務づけられている機械的換気装置を動かしても室内空気は清浄にならない。

また、気温と湿度が上がると揮発は活発になるが、エアコンを動かすと、窓を開けて換気することが少なくなる。機械的換気装置を止める人も少なくない。

こうして室内にたまった有害化学物質を吸い込むことで起きる病気が「シックハウス症候群(SHS)」だ。症状は、めまい、吐き気、手足の冷え、疲れやすい、うつ、記憶力や意欲の低下、関節痛、目・鼻・のどの粘膜がチクチクするなど多岐にわたる。これらの一つが出る人もいるし、いくつもの症状が同時に出る人もいる。

新築住宅やマンションに入居してすぐに体調が悪化する人もいるし、2~3年後に悪化する人もいる。昨年秋以降に新築やリフォームした住宅に入居し、今年初めて夏を迎える人は特に要注意だ。

SHSの人は自宅や勤め先など原因となる建物を離れると症状が和らぐが、進行すると、場所に関係なくどこでも、ごく微量な成分を吸い込むだけで症状が出るようになる。これがCSだ。重症のCSになると、普通の生活も仕事もできなくなり、子どもたちは学校へ通えなくなる。

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