ステイホームで注意が必要な「シックハウス症候群」とは
岡田幹治|2020年6月9日12:18PM
【予防法の一つはこまめな換気】
SHSを発症させる誘因物質は(1)建材や内装に使用されている接着剤・防腐剤・添加剤など (2)木造住宅では、床下や床板に使われているシロアリ駆除剤 (3)家具やカーテンに使われている接着剤・塗料・難燃剤などが主なものだ。
その他、室内で芳香消臭スプレーや殺虫剤を使ったり喫煙したりすれば汚染物質が放散される。人が生活することで発生するハウスダスト(ホコリ・人の髪の毛やペットの毛・カビの胞子・ダニの糞など)もSHSの原因になる。冷暖房が普及し密閉性が高まった現代の住環境はダニとカビの温床だ。
足立さんと、やはりCS発症者の藤井淑枝・化学物質過敏症あいちReの会代表によると、予防法の一つはこまめな換気だ。部屋の対角線にあるドアや窓を開け、空気を流れやすくする。入居してから数カ月間は換気を積極的に行なうとよく、室内で変なニオイがしたり家族の体調がおかしくなったりした場合は24時間窓を開けて、汚染された室内空気を入れ替えることが有効だ。
消臭スプレーなどの使用をやめることと、室内の物を減らし、隅々まで徹底的に掃除してハウスダストを減らすことも勧めている。
もし住まいや勤め先が新築・リフォームされた後に、家族の体調が悪化し、原因がはっきりしない時はSHSを疑い、専門医を受診するとよい。子どもは自分の症状をうまく表現できず、粗暴になるなど行動の変化として表れることもあるので注意が必要だ。
建物内の環境が原因でSHSを発症したと診断された時は、どうするか。CSに詳しい水城まさみ・国立病院機構盛岡医療センター医師(化学物質過敏症・環境アレルギーなど担当)は、室内空気をガスクロマトフィで分析してもらい、具体的な汚染物質を確定し、工事によってその物質が揮発しないようにすることが一つの方法だと語っている。
(岡田幹治・ジャーナリスト、2020年5月22日号)