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コロナ禍の雇い止めで学童保育指導員らが地位確認求め提訴 
大阪府守口市

平野次郎|2020年6月16日11:16AM

「子どもたちが待っているので早く復帰したい」と訴える原告の指導員たち。(撮影/平野次郎)

大阪府守口市で学童保育の指導員をしていた30~50代の男女10人が5月15日、市の学童保育事業を受託した「共立メンテナンス」(本社・東京都)から3月末で雇い止めされたのは無効だとして、同社に労働契約上の地位確認などを求め大阪地裁に提訴した。原告らによると、新型コロナウイルス禍で休校した小学生らの受け皿として感染防止の対応に追われている中でベテラン指導員らがいなくなり、親や子らの不安が広がっている。

訴状によると原告10人は市非常勤嘱託職員の指導員として7~36年勤務し、うち9人が市内14小学校区(計21クラス)の責任者か副責任者を務めていた。2019年4月、市が学童保育を直営から民間委託に切り替えたのに伴い原告らは共立メンテナンスと期間1年の雇用契約を結んだ。ところが今年1~3月、原告らは同社から業務命令違反などの理由で懲戒処分に当たるとの注意書を交付され、3月末に契約更新を拒否された。

原告らは、注意書の内容には事実関係に誤りが多く、雇い止めの合理的理由にはならないと主張。また、原告の10人は市学童保育指導員労働組合の組合員(うち5人は委員長などの役員)で、雇用主の共立メンテナンスに対して19年4月に団体交渉の申し入れを行なったが、同社から拒否されたため大阪府労働委員会に救済申し立てをしていた(今年4月に不当労働行為と認定)。こうした経緯などから原告らは同社が「労組の弱体化を狙って雇い止めした」と判断。

そのうえで、市の直営当時は労使合意により雇い止めされず定年まで継続雇用されており、民間委託の際にも継続雇用が前提だったと指摘。労働者側に契約更新を期待する合理的根拠がある場合は使用者がその申し込みを正当な理由なく拒否することができないと定めた労働契約法第19条(有期労働契約の更新等)の規定に該当すると訴える。

一方、共立メンテナンスはホテル事業などのほかPKP事業(自治体向け業務委託)を全国展開。学童保育のほか給食、図書館など複数の業務を一括して自治体から受託するなど事業を拡大中だ。同社は今回の提訴について「雇用契約に基づき職場での勤務状況を判断して対応した」と述べている。

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