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辺野古新基地建設止め、新型コロナ対策を
阿部岳|2020年6月17日10:06AM
最新の政府の言い分では、県が設計変更を承認してから約12年後に完成することになっている。すべてがうまく運んだとしても、30年代半ば。それも変更を承認しない玉城知事の方針を無視した都合のいい計算だ。
そして「一日も早い危険性除去」を繰り返す政府は、一方で政治的思惑から工事をたびたび中断してきた。14年の知事選前は、辺野古が争点化して故翁長雄志(おながたけし)氏が当選することを阻もうと、一方的に63日間中断。それでも翁長氏の当選を許し、工事を再開した2日後に、今度は衆院が解散された。この時は53日間、作業を止めた。要は、「不急」なのだ。
工事をどう進め、いつ止めるか。「クレーンの上げ下げまで」(沖縄防衛局幹部)細かく指令を出してきたのが菅義偉(すがよしひで)官房長官であり、側近の和泉洋人(いずみひろと)首相補佐官である。
辺野古事業は完全なる「官邸マター」「菅案件」で、常に政治スケジュールを横にらみしながら進められてきた。設計変更申請は次の大きなヤマだった。
従来であれば、政治的影響と世論の反発を見越してコロナ緊急事態宣言解除まで申請を待つくらいの判断はできたに違いない。官邸も未知のコロナ対応に追われている上、安倍晋三首相が菅氏のラインを政策決定から外すようになって、統治能力が低下しているようだ。
布マスク2枚配布、10万円現金給付を巡る朝令暮改などと並んで、辺野古の申請強行にも政権中枢の混乱ぶりが表れている。