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名作2000円台で見放題 
コロナ禍、独立系映画配給会社らが企画

中村富美子|2020年6月19日5:08PM

動画メッセージを寄せたアマルリック監督。(プロジェクト公式サイトより)

コロナ禍でミニシアターが窮地にあることは、本誌でも5月1日号の本欄などで紹介してきたが、独立系配給会社も危機にあえいでいる。独自の選択眼で個性溢れる作品を見出し、買い付けから劇場公開に至るまでを担う配給会社は映画の多様性を保証してきた黒子的存在と言え、映画館同様に公的支援が必要なのは論を俟たない。

配給会社側も「観客に応援してもらいながら緊急事態を乗り越えよう」と、20社(5月11日現在)が集まり緊急アクションを立ち上げた。題して「Help!The映画配給会社プロジェクト」。各社でそれぞれ過去の配給作品をパッケージ化し期間限定の見放題配信を行なうものだ。ヌーヴェルヴァーグの傑作群、アジアの異才が揃うパックなど、これまでの各社の仕事を総覧するかのような充実した内容だ。5月15日に始まった第1弾の配信作品数は5社から計90本(1社につき12~30本)、3カ月間見放題で価格は2480~2980円。難局を乗り切るためだけでなく「物理的な鎖国状態の中、映画で世界とつながる価値を感じてほしい」とのプロジェクトの意図が窺える破格の設定だ。

ウェブサービス「note」に開設された公式サイト(URL https://note.com/help_the_dsbtrs)では国内外の映画人からの応援動画メッセージも見られる。いずれも映画への愛に溢れて感動的だが、その中の一人、フランスの監督・俳優であるマチュー・アマルリックの言葉を紹介しよう。

「今、私たちは世界をパソコン画面を通じてしか見られない奇妙な状況にある。この悪夢が終われば再び国境はなくなり、自由に会えるだろう」「私たちはまず映画を通して日本を知り、好きになった。あなた方にとってフランスがそうだったように。『コロナ後』を考える時、この交流こそが重要だ」

5月22日には第2弾として137作品を配信。引き続き第3弾以降の配信も考えているという。

(中村富美子・ジャーナリスト、2020年5月29日号)

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