命と生活を守るため160兆円「真水」追加を
高橋伸彰|2020年6月27日3:39PM
5月25日の全国的な緊急事態宣言の解除に際し、安倍首相は「GDPの4割に上る空前絶後の規模、世界最大の対策によって、この100年に一度の危機から日本経済を守り抜きます」と述べた。この発言を受け27日の閣議では、事業規模117兆円に及ぶ第2次補正予算案が決定された。
だが、政府系金融機関による融資枠拡大などで見かけの事業規模を膨らませても、対策の実効性は高まらない。支援を必要とする人や企業に、十分な給付や補助が、適切な時に行き渡らなければ「守り抜く」ことはできないからだ。
実際、政府は4月30日に成立した第1次補正予算で、一人当たり一律10万円の給付金や、中小企業に最大200万円、個人事業主・フリーランスに最大100万円の持続化給付金を、緊急の支援策として計上しながら、1カ月以上を経ても行き届いていないという。