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新型コロナ、補償から排除される「ナイト産業」の人びと

神原里佳|2020年6月27日2:27PM

人影のまばらな福岡・中洲の歓楽街。(撮影/神原里佳)

新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言は全国で解除されたが、依然として客足が戻らないのが歓楽街の飲食店や性風俗店だ。福岡県福岡市で、困窮する「ナイト産業」事業者や店で働く女性たちへの補償を求める署名活動が始まっている。

福岡市中洲。スナックやナイトクラブなど接待を伴う飲食店や、性風俗店など合わせて3000店以上がひしめく九州最大の歓楽街だ。観光スポットとして常に賑わっていたこのエリアが、今は静まり返っている。新型コロナウイルス感染拡大防止のための休業要請を受け、飲食店のほとんどが休業。性風俗店は営業はしているが客足は途絶えている。

4月15日、福岡市天神の街頭で「キャバ嬢や風俗嬢にも個人補償を」と訴えていた「ナイト産業を守ろうの会」代表の佐藤真さん(36歳)のもとへ、1人の女性が駆け寄った。中洲のスナックで6年間働いていたが、コロナの影響で店の経営が傾き、解雇されたのだと言う。

「突然仕事がなくなり、どうしていいか分からない。生活保護を受けたいと思い、区役所に相談に行ったが、住んでいるマンションの家賃が高いから、まずは引っ越すよう言われ申請させてもらえなかった。収入がないのにすぐに引っ越しなどできない。子どももいる。この先の生活のことを考えるとうつ病になりそうだった。佐藤さんの個人補償という言葉にハッとした。諦めていたけど、私たちも補償を求めていいんだ、と。SNSなどで声を上げていきたいと思った」と涙声で語った。

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