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新型コロナ、補償から排除される「ナイト産業」の人びと

神原里佳|2020年6月27日2:27PM

持続化給付金の対象から外された性風俗業

国は新型コロナの影響で前年同月比50%以上の減収となっている法人に上限200万円の持続化給付金を支給するとし、製造業、飲食業、小売業、俳優業など幅広い業種が対象になっているが、性風俗業は対象外とされている。

佐藤さんはこれを「法の下の平等に反する」として、経済産業省に見直しを求める署名活動を進めている。

「梶山弘志経済産業相が、性風俗業を公的資金で支援対象とすることは国民の理解を得られにくいと発言したが、風営法に従ってきちんと納税もしている業者を支給対象から外すのは職業差別でしかない。 雇用調整助成金や小学校休業等対応助成金も、当初は性風俗業は対象外だったが、性風俗業で働く人も救済すべきという声を受けて対象へと変更された。諦めず声を上げ続けていきたい」と力を込める。

同様の署名活動が大阪府でも行なわれている。中心となって取り組んでいるAさんは、大阪市梅田で派遣型風俗店を営む女性だ。Aさんは性風俗業への支援が広がりにくい背景として、事業者同士が団結しにくい現状もあると見ている。

「署名など目立つことをして、警察や税務署に目をつけられたくないという事業者もいる。私もそれは理解できる。でも、私たちも法律を守って運営し納税しているという点では他の事業者と同じ。国はどんな業種であっても平等に扱ってほしい。でないと真面目な業者が損をすることになってしまい、業界のアンダーグラウンド化が進んでしまう。そうなると危険な目に遭うのは働いている女の子たち」とAさんは言い切る。

福岡・中洲も大阪・梅田も、それぞれ九州、関西の夜の顔として全国的な知名度を誇り、重要な観光地とされてきた。そこで働き、地域経済を支えてきた人々をなぜ補償から排除するのか。「ナイト産業」は、利用する人にとっては遊興の場だが、そこが職場の人もいる。働いて子育てや介護をしながら暮らすことに他の産業と変わりはない。働く場によって支援を差別してはならない。

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