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新型コロナ、鈴木医務技監はなにをしているのか
西川伸一|2020年6月27日2:58PM
「医務技監はパンデミック対策で司令塔の役割を期待されるのに、感染症対策の経験がないことは致命的だ」(『選択』2017年12月号)。
まさにこの「予言」どおり「致命的」であることを、私たちはいま思い知らされている。
医務技監とは17年7月に厚生労働省に新設された次官級ポストである。保健医療政策を統括し、「感染症が大流行した場合などに政府の対応を指揮したりする(略)見込み」と期待された(17年6月10日付『読売新聞』)。
初代医務技監には鈴木康裕氏が就任し現在に至る。はじめて耳にしたという向きも多いことだろう。「指揮」しているとは到底実感されない。
その鈴木氏は医系技官である。国家公務員には事務官と技官の区別がある。大まかには文系が事務官、理系が技官ということになる。
技官はさらに専門ごとに細かく分かれる。中でも特異なのが医系技官である。通常の国家公務員採用試験とは別建ての「厚生労働省医系技官採用試験」によって選考が行なわれ、医師免許をもっていることが応募要件となる。『お役所の掟』(講談社)などを著し、厚生省(当時)を懲戒免職となった宮本政於氏も医系技官であった。