『愛媛新聞』を糾す市民団体発足へ
伊田浩之|2020年7月3日5:10PM
『愛媛新聞』(本社・愛媛県松山市、土居英雄社長)のあり方を糾す市民団体が発足する。戦前、在郷軍人会が『大阪朝日新聞』や『信濃毎日新聞』など軍部に批判的な新聞社に不買運動などを起こした例はあるが、言論の多様性や自由を重んじるリベラル陣営からの新聞社批判は珍しい。コロナ渦で4月から延期されていた設立総会が、8月9日(日)午後1時半から松山市内で開かれることになった。
辺野古記事への抗議
会の名称は「愛媛新聞を糾す読者の会(糾す会)」。準備会世話人代表、阿部悦子さん(70歳)は、既成政党にとらわれない市民派として1999年、愛媛県議会議員に当選。後進に道を譲る2015年まで4期にわたって県議を務めた。3月25日に松山市内であった第3回準備会で、阿部さんは会結成のきっかけについてこう語りはじめた。
「県政寄りの報道がヒドいので『愛媛新聞』の購読を止めました。たまたま、交通事故で入院した病院のロビーで『愛媛新聞』を読み、目を疑ったのです。あまりにもひどい印象操作記事でした」
それは、沖縄・辺野古で護岸工事を政府が始めたことを伝える17年4月26日朝刊。1311字に及ぶ長文のサイド記事だった。
〈集まった市民らは最大時でも100人ほどで、機動隊との衝突も起きなかった。防衛省関係者は「最近は反対派の活動も下火だ。工事は着々と進むだろう」と見通した〉
〈政府高官は最近、周辺に繰り返しこう漏らしている。「辺野古はもう終わった話だ」〉