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コロナ禍があぶり出した経産省と電通のビジネスモデル

佐々木実|2020年8月12日9:31AM

持続化給付金の事業を国から受注した一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、協議会)をめぐって疑惑が噴出し、所管する経済産業省が「協議会」の業務執行体制を「中間検査する」と表明せざるをえない異常な事態となっている。

事業者に最大200万円を支給する持続化給付金は、新型コロナウイルス緊急対策の柱となる中小企業支援策だ。第一次補正予算で2兆3000億円あまり、第二次補正でも1兆9400億円が計上されている。

多岐にわたる疑惑の核心は「協議会」のビジネスモデルそのものだ。中小企業庁から委託費769億円で持続化給付金の事業を〈民間委託〉された「協議会」は、広告大手の電通に749億円で〈再委託〉、電通は自社の子会社5社に645億円で〈外注〉し、電通子会社5社は派遣大手のパソナなど4社に再び〈外注〉していた。

パスまわしのような委託、外注の繰り返しに「中抜き」批判が出るのは当然である。この奇妙なビジネスモデルへの第一の疑問は、電話番号も公表しない幽霊会社のような「協議会」をなぜ国との直接の契約者としたのか。受注企業側に立てば、みすみすビジネスモデル全体が露見する危険を冒すようなものではないか。

これにはおそらくコロナ禍が“想定外”だったという事情が関係している。電通やパソナなどが「協議会」を設立したのは2016年で、現在までに経済産業省から受託した事業は14事業、金額で1576億円にのぼる。つまり、持続化給付金を受注する以前に、経産省と一体化したビジネスモデルはすでに確立されていた。

持続化給付金の新設に「協議会」の関係企業は色めき立ったに違いないが、誤算は受注額があまりに巨額でマスコミの注目を浴びてしまったことだろう。

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