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腹を決めた二階幹事長と石破元幹事長
佐藤甲一|2020年8月12日9:13AM
ようやく注目すべき動きが顕在化した。自民党の二階俊博幹事長は6月8日、石破茂元幹事長と会談し、9月の石破派の政治資金パーティで講演することを快諾した。石破氏のパーティといえば安倍晋三首相が党内で唯一出席を拒んできた会合である。それだけに二階氏が「出席受諾」を公言し、会見で石破氏を「期待の星」と表現したことはきわめて重要だ。
総務会長時代の二階氏に「なぜ安倍氏を支持するのか」と尋ねたことがある。「安倍さんが好きとか嫌いとかそんな感情はない。いま自民党のために誰が一番相応しいか、それだけだ」との返事があった。優等生的にも思えるが、「自民党」を「自分」に置き換えればわかりやすい。ひとことでいえば「安倍、命」では全くない、一蓮托生などもってのほかということだ。
さらに、幹事長時代の石破氏にも聞いたことがある。政権を失わないための要諦はなにかと尋ねると「党内で権力闘争をしないこと」と返ってきた。2人の前言と今回の行動を重ね合わせると、二階氏も石破氏も腹を決めて、連携をも視野に「ポスト安倍」に向かって踏み出した、と判断せざるを得ない。
森友学園、加計学園、桜を見る会、検察庁をめぐる問題、そしていま国会で問われる持続化給付金をめぐる問題、これらに共通するのは安倍首相に近しい人や組織が優遇され、やりたい放題という、子どもでもわかる「えこひいき」の構図である。民心が離れつつあるのは当然である。