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沖縄の自衛隊幹部、牛島司令官らの塔に献花

阿部岳|2020年8月13日9:17AM

旅団長は報道陣の問い掛けにほとんど答えず、眼前の暗闇を見据えて歩き続けた。

「慰霊の日」の6月23日午前5時前、沖縄県糸満市の平和祈念公園。沖縄戦の日本軍司令官、牛島満中将が自決した75年前とほぼ同じ時間、場所に、自衛官約30人が現れた。

沖縄を拠点とする陸上自衛隊第15旅団の幹部で、いずれも制服を着ている。牛島司令官らをまつる「黎明之塔」に佐藤真旅団長が献花した後、全員で手を合わせると、連れだって引き返した。

牛島司令官は本土防衛の時間稼ぎだけを目的とし、住民に「共生共死」を強いた日本軍の総責任者である。自衛隊はその「遺志」を受け継ぐのか。

私は旅団長の背中を追いかけながら質問を重ねた。「日本軍は住民の食料を奪い、虐殺しました」「その日本軍を民主国家日本の自衛隊が顕彰するのですか」。辛うじて旅団長が発した言葉の一つが「私的参拝ですから」だった。

制服を着て集団行動をしておきながら「私的」だと主張する。自衛隊はこの論理で
17年連続、慰霊の日の参拝を続けている。復帰間もない1976年は1000人規模の深夜行軍と集団参拝をして厳しい非難を浴び、1回だけで途絶えた。しかし、2004年に復活させてからはいくら批判されてもやめようとしない。

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