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「報ステ」問題引き金か テレビ朝日労組が民放労連脱退
岩本太郎|2020年8月26日10:48AM
テレビ朝日労働組合(青山直史委員長、組合員752人)が、上部団体である日本民間放送労働組合連合会(民放労連、同約7000人)を脱退した件(7月25日の民放労連定期大会で正式承認)が放送業界関係者の間に波紋を呼んでいる。視聴率競争で日々シノギを削る五つの地上波民放キー局の労組が民放労連から脱退する例は今回が初めて。新聞など各メディアはテレ朝労組が「原発問題や在日米軍基地問題などに対する運動方針を巡ってこれまで民放労連側との考え方の対立が続いてきたことや、労組内で民放労連の組合費の負担に対し改善を求める声が高まった」(『朝日新聞』7月27日付)ことを脱退の理由に挙げたと、民放労連側に取材のうえさっそく報じた。
だが、ほどなくこの見方に疑問を投げかける報道も飛び出した。フリージャーナリストの志葉玲氏は「Yahoo!ニュース」7月31日付の寄稿で、業界関係者への取材をもとに、脱退の「真相」は昨年末に表面化したテレ朝の人気番組「報道ステーション」の契約スタッフ大量首切り事件にあると喝破。その論拠の一つに前記7月25日定期大会での民放労連の高木盛正委員長(TBS労組)による次のような発言(同労連内部資料にも記載されている)を挙げた。
《MICのいわゆるスポンサーへの抗議行動が脱退の大きな理由だったことは間違いありません》
MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)は放送や新聞・出版も含むメディア系労組の上部団体による連合体だ。そのMICと民放労連が今年2月13日、「報ステ」スタッフ支援の集会を開き、集会宣言を同番組のスポンサーあてに送ったことがテレ朝経営陣を激怒させたのだと志葉氏は前記記事で指摘した。