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朝鮮人虐殺事件否定「そよ風」集会の発言を東京都がヘイト認定

2020年9月7日1:35PM

【都が「誓約書」提出要求の取り下げを双方に通告】

「そよ風」による「真実の慰霊祭」は2017年から毎年9月1日に都内墨田区の都立横網町公園で行なわれている。同じ日に同じ横網町公園で1974年から行なわれている「追悼集会」にぶつける形での開催である。

この集会の目論見は何か。先述の昨年9月6日号記事で、筆者は次のように指摘した。

〈彼女たちの最終目標は、この公園の「追悼碑」の撤去であり(自らのブログで明言)、「朝鮮人犠牲者追悼集会」を開催できない状態に追い込む。そのために同じ9月1日に自ら集会を開き、レイシズム・カウンターたちの激しい抗議を誘発し、警察を大量動員させるような大騒ぎに発展させる。そうやって「追悼集会」と自らの「真実の慰霊祭」の双方が、都から9月1日の公園使用許可を得られない状況を作り出す。言い換えると自らを「つぶれ役」にしながら追悼集会をつぶす〉

先に述べた通り、今回の都の公表はあくまで「啓発」目的のため、今年9月1日の「そよ風」集会の開催が規制されるわけではない。しかし「そよ風」の「追悼集会つぶし」の目論見は、今回のヘイトスピーチ認定措置によって大幅に後退したと言えるだろう。

実は今年7月時点までは、事態は「そよ風」の思い通りに進んでいるように見えた。というのは、公園管理者である都が、会場となる都立横網町公園の使用許可に先立って、追悼集会実行委と「そよ風」の双方に、トラブルを防止する目的の「誓約書」の提出を求めていたからだ。それは、もし現場で参加者同士のトラブルが起きたら、翌年以降は公園の使用を許可しないことを含意していた。

しかし、都は8月上旬に姿勢を一変し、誓約書の提出要求を取り下げることを「追悼集会」「そよ風」双方の主催者に伝えた。この点でも「そよ風」の目論見は打ち砕かれたと言える。

なお、今年の「追悼集会」は新型コロナ感染防止の観点から、現地での一般参加なしで行なわれる。インターネット上では映像中継の予定。小池百合子都知事は今年も追悼文を送らないことを8月7日の会見で表明した。

(植松青児・編集部、2020年8月21日号)

 

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