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コロナ禍の8・15靖国集会 
中国批判強まる

2020年9月10日4:31PM

「終わりにしよう天皇制」などを訴える「反靖国」デモ。(撮影/本誌取材班)

敗戦から75年の2020年8月15日、東京・千代田区の“靖国神社”の光景は例年とは違った。感染症対策として整列させられるも、前後左右の間隔は数十センチ程しかない「密」状態の参拝客が長蛇の列をなす一方、大村益次郎像横の参道で毎年午前に開催されてきた「日本会議」と「英霊にこたえる会」主催の「戦歿者追悼中央国民集会」はオンライン開催(神社内の啓照館から中継)となり参道は閑散とした雰囲気だった。同集会では、登壇者らが新型コロナウイルスについて「武漢ウイルス」「武漢肺炎」との表現を多用。例年より中国批判が強まり、その文脈の中で憲法改正が訴えられた。

同集会冒頭には、個別参拝を終えた衛藤晟一領土問題担当相が駆けつけ「(中国から)尖閣諸島を守るため」、日本が実効支配を明らかにすることが「日本を守って散華された多くの御霊に対する私たちの責任」と主張。自民党の有村治子参議院議員も「(中国は)国際秩序を塗り替えようとする意図すら隠さなくなった」と“脅威”を強調した。ビデオ出演した作家の百田尚樹氏は「中国がたびたび領海侵犯しても断固とした態度がとれないのはすべて日本国憲法のせい」だと憲法改正を訴えた。「英霊にこたえる会」寺島泰三会長と「日本会議」百地章政策委員会代表は有事対応のため緊急事態条項を憲法に明記すべきとした。

夕方には靖国通りで恒例の「反靖国」デモ(今年は「国家による『慰霊・追悼』を許すな!8・15反『靖国』行動」主催)と、これに「抗議」する「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などの街宣があった。街宣で「在特会」八木康洋会長は「一応、(「反靖国」デモ隊に鋭利な刃物や爆弾などを投げるのは)やめてください」としつつも「(警察の)カメラのないところで人混みに紛れてやる分にはバレないかもしれない」と、攻撃を煽動するような発言をした。

(本誌取材班、2020年8月21日号)

 

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