もはや疑えない福島での「がん多発」
明石昇二郎|2020年9月10日5:07PM
続いて、このSIRの「95%信頼区間」を求めてみた。疫学における検証作業のひとつであり、それぞれのSIRの上限(正確には「推定値の上限」)と下限(同「推定値の下限」)を計算し、下限が100を超えていれば、単に増加しているだけではなく、確率的に偶然とは考えにくい「統計的に有意な多発」であることを意味する。
その結果、福島県においては12年以降、6年連続で男女ともに胃がんが「有意な多発」状態にあり、それが収まる兆しは残念ながら一向に見られないことが判明した。
胃がん以外にも、甲状腺がん、前立腺がん、胆のう・胆管がんなどについての詳細な記事は9月11日発売の『週刊金曜日』9月11日号に掲載される。
(明石昇二郎・ルポライター)