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伊藤詩織さんが杉田水脈議員ら訴訟 
中傷ツイートへの「いいね」問題視

小川たまか|2020年9月11日4:38PM

記者会見で、左から山口元一、佃克彦、西廣陽子の各弁護士。(撮影/小川たまか)

8月20日、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、ネット上の誹謗中傷について新たな訴訟を起こした。名誉感情を侵害されたとして、杉田水脈衆議院議員に220万円の損害賠償を求めている。

杉田議員は、伊藤さんが元TBSワシントン支局長の山口敬之氏からの性的被害を訴えた件について、ブログで「被害者に全く落ち度がない強姦事件と同列に並べられていることに女性として怒りを感じます」と綴るなど、一貫して山口氏を擁護していた。

今回の東京地裁での訴訟で注目されるのは、杉田議員の発言ではなく、特定のユーザーの投稿に「いいね」ボタンを押したことの是非。自身に寄せられた返信のうち伊藤さんを「胡散臭い」「枕営業の失敗」などと中傷したツイートや、伊藤さんを擁護したユーザーに寄せられた「伊藤おばさんは(略)卑怯者」「ニコニコ顔で自分のレイプ体験を語るヤツ」など、合計13ツイートへ「いいね」したことが訴訟対象となっている。

提訴にあたっての記者会見で、伊藤さんの代理人・佃克彦弁護士は、「杉田さんのようなフォロワーの多い人に対してはすごく返信がある。杉田さんが一言つぶやくと多くの人が反応する。そういう中で伊藤さんへの誹謗中傷が吹き荒れている」と話した。「いいね」は一般的に賛同の意味を示すボタンとされ、これを押すとフォロワーのタイムラインにそのツイートが表示される場合があることから、拡散目的で使う人もいる。杉田議員には当時約11万人(現在は18万人以上)のフォロワーがおり、その影響力の大きさによっていわば誹謗中傷を「煽動」したことを問う裁判となる。

また、「伊藤詩織って偽名じゃねーか!」とツイートした元東京大学特任准教授の大澤昇平氏には名誉毀損にあたるとして、110万円の損害賠償を請求。訴状では「『伊藤詩織』は原告の本名で、別の名前はありません」と述べた。

(小川たまか・ライター、2020年8月28日号)

 

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