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アフターコロナ、「密室」の政策決定は通用しない

佐藤甲一|2020年10月2日4:11PM

2020年の国内総生産(GDP)の成長率がマイナス4・5%になる見通しが明らかになった。原因はコロナ禍であれ、安倍晋三政権が政権存続の柱としていた日本経済の回復が画餅に終わったことが明らかになった。

安倍政権はその使命を全うできないまま、これ以上政権を担う理由を失った。コロナ対策についても、もはや国民の生命と安全を任せられるような状況にはない。可能な限り早く後継政権に道を譲り、人心を一新すべきだろう。

だがそこで安易に「解散総選挙」「両院議員総会による後継総裁の指名」といった従来の政治の手練手管を用いては、安倍政権ばかりでなく、自民党政権ですら国民の信を失うことになる。ここは堂々と総裁選挙を前倒し、まず政権党としての自民党の政治姿勢や政権のあり方、安倍政権の総括を明らかにすべきではないか。

「ポスト安倍」のひとり石破茂元自民党幹事長は7月27日、大阪市内で行なった講演で二つの重要な指針を明らかにした。一つは「東京一極集中を是正するための税制のあり方を今考えないでどうするのか」と述べ、地方に財源を移管し、地方自治体の裁量を増やすことを示唆した。

もう一点は「誰が知事、市長、議員であってもいいわけではないことに有権者が気づいた」とし、投票の義務制など選挙改革とともに地方のリーダーを重視する政治制度の変革を模索する考えをした。国会議員の人気が今一つの石破氏にとり、避けるべきは両院議員総会での新総裁指名である。

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