女川原発、実効性なき避難計画に基づく再稼働認められない
「脱原発首長会議」が緊急声明
佐藤和雄|2020年10月13日5:35PM
【「避難」前提にエネルギーを生産することの愚かしさ】
9月12日のオンラインフォーラムでは、女川原発から30キロ圏内にある宮城県美里町の相澤清一町長が、『河北新報』が4月に実施した世論調査で再稼働に反対が61・5%、原発の安全性については74・0%が「不安に思う」と回答したことを紹介。「多くの方が不安を持っている。民意を聞くのが地方自治の基本であり、それをないがしろにするのは地方自治の否定につながる」と述べ、再稼働反対への強い姿勢を示した。
首長会議の世話人の一人、桜井勝延前福島県南相馬市長は「避難計画についていろいろと議論されているが、『避難計画は機能しない』というのが、東日本大震災の際に私が経験した教訓。そもそもなぜ避難することを前提にエネルギーを生産しなければならないのか。命と向き合わなければならないようなエネルギー政策を推進することが間違いだ」と述べた。
また、村上前東海村長は東日本大震災を振り返り「私はあの時、女川から東海までの全原発14基すべてがメルトダウン寸前にあったと思っています。この思いは今も変わっていません」「女川原発の根本的な問題は、原子炉自体にある。炉型は、ゼネラル・エレクトリック(GE)製の沸騰水型MARK1型である。この炉型の欠陥は福島第一で証明済み。女川はまったくダメです」とのメッセージを発表した。
フォーラムには宮城県議で「脱原発をめざす宮城県議の会」の佐々木功悦会長や「女川原発の再稼働を許さない! みやぎアクション」世話人の舘脇章宏氏、弁護士で「新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」委員を務める大河陽子氏が登壇。首長会議からは保坂展人・東京都世田谷区長ら15人が参加した。
(佐藤和雄・脱原発をめざす首長会議事務局長、2020年9月25日号)